気分刊日記

2007年09月08日(土) そら恐ろしいです

最近、ふと、なにしてたっけなぁ〜と思い返したとき、一週間前辺の記憶がかなりごっそり亡くなっています。まぁ、仕事以外の記憶は週末の記憶ぐらいしか気に留めてなくてもいいぐらい単調な生活を送っているのですが、それでもちょっと落ち込みます。若年生痴呆症です。BSEの影響だと思います。

で、この日記も1週間置いて書いている訳ですが、『天然コケッコー』を新宿武蔵野館に観に行った事ぐらいしか憶えていません。でも、相変わらずここの株主招待券の扱いがマズイようで、いつもの容姿の不自由な女性マネージャーに対して、満員で入れなかった事をネタに物凄くイヤラシイ喋り方で延々クレームを繰り返す40代ぐらいの中年男性が印象的でした。それも、妻らしき女性も同伴で。

ああ、このオッサン会社や取引先でもこの調子なんだろうなぁ。で、自分の都合が悪くなると逃げる・逆切れするんだろうなぁ〜て感じの典型的なおっさんでした。もうねぁ、接客業に対して「お客の気持ちに成った事があるのかぁ?」とか、「お前はどう思う?」っていう攻め方をするのですよ。こういわれちゃったら、他のお客さんも居る手前平身低頭する以外無いですよ。

おそらく、突き詰めればそのオッサン自身の不手際を本人も認識しているので、それを棚に上げるべく問題の論点を一般論にすり替えているんですよ。自分はどう思ったかっていうと『(妻、もしくは彼女らしき)女性の前で恥じかかさされた!格好悪〜。』『なんかヤバそうなのは薄々感じてはいんだよなぁ、でも彼女もいたし余裕ブッこいてたんだよ本当は』って感じですよ。

で、個人的には「この人のクレームを録音してサンプリングしたい!」って思いました。凄くネチネチと朗々と、ある意味では理路整然と、しかし、どう考えても大人げないクレームを延々繰り返しているのがまるでお経のようでもあり、かなり面白い素材。でも、残念ながら今の私の携帯にはICレコーダ機能が無いんですよ!残念!

天然コケッコー
オープニング、バケツとモップを持った夏帆が廊下の向こうの方からカメラに向かって駆けて来るシーン。結構胸あるなぁっていうのがつまり、最近常々思う“夏帆の行く末=優香”って事でした。単純に若い、天然ぽい、自然体って言うのが今の売り。でも、このまま大人の女性に成った時、女優としての魅力は何か残っているか?って言うと疑問だなぁ。実際、役者としての需要が極端減っている優香を観るとね(「志村X」とか無し!)。

まぁ、映画自体はそん事とは無縁に、今の“夏帆”の初々しさ全快!田舎娘キャラにすっぽりはめて天然っぷりを倍加(山下監督の趣味全快)させ、恥ずかしいくらいピュアな主人公に仕上げている。ってか、その“恥ずかしいぐらい”ってのがこの青春ドラマの肝です。

で、このドラマを表する時に劇的な事は何も起こらないて言う説明をよく目にするんですが、当たり前の事ですが青春まっただ中の14〜18ぐらいまでの子たちの細胞レベルでも心のレベルでも日々劇的な変化を遂げているんですよね。つまり成長してるってことなんですけど、山下監督がそうなのかディレクターやプロデューサーがそうなのかわからないけど、前作の「リンダ・リンダ・リンダ」でも撮影前の合宿だったりって所から全体の空気を作ってゆく手法がとても上手い。

若い役者で青春映画を撮るのは、その作品にどれだけ時代性を込められるかって言う事と、被写体自身=役者自身の今をどれだけ2時間弱のフィルムに詰め込めるかって言う事で、その両方がバランスよく伝わると、作品としての消費スパンが伸びる=普遍性を獲得できるって言う事だと思う。


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