| 2003年04月09日(水) |
混沌から世界が生まれたことの証明。 |
たくさん、読みたい本がたまる。 たくさん、会いたい人がたまる。 たくさん、行きたい所がたまる。 忘れないうちに、こなしていかなきゃ。 でないと僕の一生は間違い探しで終わってしまうんじゃないかって思ってしまうし。
たとえば逃げていくあのひとを僕は追いかけられるだろうか。 たとえば昔行ったあの異国に僕はまた立てるだろうか。
死んでいくまでの暇つぶしでしかなかった人生が、少しずつ色をもってくる。 それは怖い。 僕は怖い。 僕は決して潔い人間ではないから、既に固めてしまった決意が脆く崩れていくのが恐ろしいのだ。
僕は死んでしまう日まで、一日一日を、後悔しないようにだけ生きていればよかったのに。 何も生まず、ただ捨て台詞のように詩を書いているだけでよかったのに。 世界は僕に見向きもせず、僕も何も見ようとせずに終わってしまえばよかった。 ここは墓場で、井戸の底で、光も射さぬ湿った薄汚い小屋の中で。 僕はただの朽ちた骨で、単細胞生物で、汚泥にまみれた豚で。 そんな風でよかったのに、 本当は、 本当のところは。
けれど僕は、 これから墓土を掘り返さねばならず、 井戸の壁に爪を立ててよじ登らねばならず、 腐った小屋の壁に体当たりをせねばならない。 自らの骨に肉付けをし、 細胞を増殖し、 闇に慣れた目を光に慣らさねばならない。 それは確かに僕の望むことではあるけれど、その前に僕は食い縛った歯を解き、固くつぶった目を開かねばならない。
諦念だけで世界は構築されている、と僕は思ったけど。 まだそう思っているけど。 僕はそれが嘘だと証明せねばならない。 己が身をもって。
別にそう難しく考えなくてもいいじゃないか、って誰かが言いそうなもので。 自分的に進歩したいのもあるしね。
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