バスを降りると、山の上からゆっくりと雲が沈んで来ているのが見えた。 もう山はほとんど隠れてしまって、輪郭も見えない。
傘は要らないくらいの霧みたいな雨。 もしかしたらもう、これも雲なのかもしれない。 歩く僕の服を、かばんを、 肩を、顔を頬を濡らし、 前髪と睫毛に白く濁るように水滴がついた。 そこへ雲が、音もなくすぅっと流れてきて、視界を一瞬白く染めた。
立ち止まってしまった。 白く濃い雲はさぁっと晴れて、また深く、を繰り返した。 自転車が、坂の途中に足を止めた僕を追い抜いてよろよろと登っていく。 霧の深さなんか気にも留めないように。 僕に怖いものなんかありません。 ちょっとだけ息を止める。それが隠された本心。 そして僕もまた、自転車の後をゆっくりと歩き出す。
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今日は髪を切ってきました。さっぱりさ。 親には「ますますガキっぽくなったねぇ」などと暴言を吐かれつつ。(怒 まぁそれなりなので僕は満足。 短くなったし。 ふんっ。
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昔の恋人の夢。 4人で旅行に行った先、騒動に巻き込まれて四人みんなばらばらになって、のあと。 僕の所には来ず、友人の所にだけ来たそのひとのメールを見て、 不意に悲しく、悲しくなってしまった。
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