夕闇が降りるにつれてゆらゆらと姿を伸ばすのは白樺の木で、昼の名残りにうっすらとたゆたう陽射しの残滓を胸いっぱいに吸い込んでひととき、夢見心地にひたっている。親のところからこっそりと持ち出した小刀で傷付けた指を隠しながら家路を辿る少年、赤々とした西の空にわずか怯えながら、削いでしまった肉をしっかと押さえつけながら足早に丘を下っていく。少女は鳥かごを開けてしまって、戻らない鳥がどこかで空から落ちていく鳴き声を思い描きながら不要になった餌を小さな餌箱から払い落とす。↑思いもかけず。My追加