僕は見事にこうもりなので 人によってその反射光を変える くるくると ときどき気弱げに笑う そして無表情で他を拒絶する らしい
けれど鳥の仲間にも獣の仲間にもならない なれない から 指切りをした左の小指を切り落とし 次いで右の小指を切り落とし 針千本呑まされてもしぶとく生き 殺されるほど憎まれることもない自分を蔑んでみたりするのです
夜の空に舞い上がって 蚊を何匹も何十匹も食べつくしても 僕は鳥にも獣にもなれず ただ哀しいと 自ら憐れんでみたり。
羽を こっちへぱたぱた あっちへぱたぱた 微笑んでアリガトウを言いとりあえず飄々と生き けれど昼の明るさに耐え切れず暗がりで丸くなってみたりする 鳥も獣も居なくなったらいいのに。 気弱な笑みを泣きそうに変えて思う 孤独 孤独 なんて 今と何が違うだろう。
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