あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2003年12月10日(水) てくてく



むかし僕のやりたかったコトっていったい何だったっけ、と思いながら河原町を南へ。
三条を西へ、新京極を下る。

 ギリシャのイカロスが太陽を目指したように、何か虚しいコト。
 それでもこんなふうにただてくてく歩くだけじゃなくて、何か苦しいコト。

映画館の前はすごい行列。
いったい何が公開中なんだか、と思って覗いてみたけど、僕の気を惹く映画は1つもやってなかった。みんないったい何に並んでるんだろ。
蛸薬師から寺町へ。
四条まで下って、また東へ。

 思えば全速力で走ったり、一喜一憂が激しくてよく泣いたり、そんなことばかりだった気がするのにな。
 今と何が違うのかわからないけど、そういやいつも風の音を聞いていたね。

地下の鉄道の駅に降りる。
なんでみんなサンタクロースっぽい格好をするんだろう。・・・あなた、僕が一年イイコだったからプレゼントをくれるんですか?
そうだとすれば僕はいったい誰の基準に照らしてイイコだったんでしょうか?

 今も変わらず世界は不透明です。
 神様。
 今も僕は変わらず貴方に手紙を書いて、厄介事をとりあえず肩代わりしてもらうみたいに貴方の名前で少し気楽になれるといいな、と思ってしまう。

電車に揺られて西へ。
雲間の空がくっきりと青で、斜めの太陽光が暑くて眩しい。
今度はバスに揺られて、さらに西へ。

 例えば明日があることを信じない。
 僕はいつも幸せを欲してはいけないと思い続けてきました。
 手のひらの上の幸せも、明日まだそこに在るかはわからないもの。

やぁ寒いね、と今日何回言ったのだか。
だんだん無意識にちぢこまっていく肩を、何度か回してほぐしてみる。
雲が集まっては消え、集まっては消えて、青空が今は広い。

 だけどいつも目が覚めたときに感じる虚無感が、何か約束が1つあれば薄れるのを知っていて、それで誰かを縛ろうとする。
 ・・・うん、いいよ、アイシテルから。

車の窓から満月を見付ける。
ちゃんと毎日ひとつ、うつくしいものを、あのひとへ。
言葉じゃなくても、捧げもののように。
神様、まだ生きていますよ、僕。





↑そうして生きて。

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