2004年04月03日(土) |
やさしいライオンと逃げていく。 |
やさしいライオンと逃げていく。 彼にはたてがみがある。 僕には無い。 彼にはやさしいハートがある。 僕には無い。 彼には強い爪がある。 僕には無い。
ひとつだけ、僕には強いコトバがある。 彼には無い。
そしてお互いに僕たちは淋しがり屋で、背中合わせに眠る夜のあいだもとても、お互いの存在があたたかでやさしい。
ライオンはときどき僕を彼の背に乗せてくれる。 大地を蹴って奔ってゆく、地平線はいつまでたっても遠いのだけど。 さみしい? と訊くとライオンは、独りじゃないのにどうして、という顔をする。
君がいるじゃない。
彼にはやさしいハートがある。 僕には無い。 どこまでも。
やさしいライオンと逃げていく。 その背はとても、あたたかなのだ。
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