2004年11月05日(金) |
鉄則。 (あるいは、 お守り のようなもの。) |
どこへ ゆくの
と訊かれても、僕に返す言葉はないのでした。
鉄則其のI。 パスワードは簡単なほうがいい。
鉄則其のII。 危険に憧れてはいけない。
鉄則其のIII。 深夜、眠らずにするのはセックスだけでいい。
美しい空。 また僕は色んな物を失くす。 お気に入りのマフラーとか。ペンとか。メールだとか。
他人の唇に指を押し当てて思う。
たぶん、この人もうそつきだ
でもそれでもいい、嘘つきな人間から奪う真実ほど得難いものは無いから。 くすくすと笑いながらホームに立って電車を見送る。 嘘つきの自分を激しく憎む一方で、この自分がいないと生きていけないと思う。
お守り、は、胸ポケットの煙草。 小さなライタ。 ほんのすこしの、週末のひとかけらの期待。 ほのかな香水の匂い。 遠い遠い約束。 死んだひとの潔さ。 机の中の遺書と指輪。
それから、僕が信じよう、と言ったもの。
どこへ ゆくの ?
微笑んで、
明日へ、 と。
僕は嘘つきだから。
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