2004年12月15日(水) |
電話のむこう、雨音のように |
言葉は断じて僕の味方ではないので
ただひとことだけ愛してると言ってみる。
そして直後に僕はうそつきだ、と思う。
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僕は少しずつ変形していく。 変容だとか変節、そんなものであってもイイ。 堕落とか。 妥協とか。 昔からこの心を切り売りするニンゲンであったのだから、自分がより悪人になったのだとは思わない。 今の、これが。 僕の常態なのだと思うから。
誰も僕を信じなくってイイ。 信頼されるに値するようには生きていないから。 ただ騙されてください。できるなら容易に。 そうすれば僕もあまり多くの嘘をつかなくて済む。
今思えば、見苦しく嘘を重ねないで済んだのも たぶんあの物憂い午後の電話があったからでした。
雨の デパートの屋上で、 とおく歌うヒトを 見ていました。 あなたはパラソルの下で煙草に火を点けて戻ってきて 僕はむき出しの肩に当たる雨粒を数えて いました もうあの時からなんとなく 落ちてしまう恋が見えていた気が します
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