さみしいのは錯覚だ、と言ってみる。 案外それもまた真理かもしれないと思う。
こうやって、僕は恋だとか愛だとかの重苦しい部分を器用にすり抜けるだけの技量を身につけて、あのひとのまっさらな目のような痛々しさも失くして、そうやって生きていくんだろうか。 なんだかもう、そんなの元からわかっていた気がする。 はじめから。 僕は常に異なる分子なのだと。
帰り道、 つきあかり、を、 肩から腕にかけての素肌に感じてつめたくこごえる。 まっしろなつき。 雨のほうがいい、と思う。 こんな夜はヒトがそばにいるとダメだ。なんとなく。 ダメだ。 トリハダ。 震えるゆびさき。いたむ、のは、 触れられたくないニンゲンに触れられる肌。 さわるな、と。 魂がおびえる気配がする。
僕はたぶん、間違ってる。 あしもとから。 だけどもう、賽は投げられ足は踏み出されてしまったのだから、僕はもう取り戻せない自分を惜しむつもりはない。 僕は助けを求めない。 欲しいものはひとつだけ。 なのに声は出ず視線も腕も禁じられて朝がまた来る。 呪うと言うなら神様、
僕は12の歳の僕を呪うだろう
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