12月の朝の寒さに凍る橋を、渡ってゆくとその家は木立の向こうにひっそりと建っていて、 僕はひとつ、タメイキをついてその家の門扉を開ける。 ほんの10分、懺悔を聴く告戒僧のように ここは僕の罪悪感に似合う。 そんなことを思いながら静まりかえる家のドアに鍵を入れる。 埃っぽい階段を上がっていくと その家の住人はまだベッドの中にいて、薄く目を開いて僕を見る。
**
結局、と。 憎まずにいられないのは僕だということ。 そしてまた僕もきっと憎まれてしまうのだということ。 けれどそれはいつか 安堵に取って代わられてしまうのだということ。
そしてかなしいのにいとしい、と いうこと。
ばかみたい、って、
ヒトの笑う声を聞く。
|