あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2005年02月11日(金) 出歩き日。




昼前から神戸に向かう。

爽快に晴れ渡った空に、確かに春を思いながらコートを羽織る。
軽い靴を履いてバス停へ公園をよぎると、土は昨日の雨を含んでやさしい。
3連休も初日、大阪方面行きの電車はけっこう混んでいて、僕は古本屋の元警官を主人公にした小説を読みつつ揺られてゆく。

神戸の街は僕にとっては異郷なのだ。
少し雲の出てきた空に、ふとそんなことを思う。
広い道路も高いビルも、僕の故郷には無くどこか意地悪い。
ひさびさに南京街まで行って、肉まんだの焼売だのを頬張る。
すこしだけ旅行の話をする。


どこもかしこも喫茶店は一杯で、仕方なくドトールの隅に陣取ってラージサイズのミルクティーを飲む。
鬱について話す。
少し、息が苦しいのは店内に充満した煙草の煙のせいだと思うことにする。
ドトールを出てJRの駅へ向けて歩く。
君はなんとなく鬱になっていてもおかしくないのにどういうわけだかそうならないよね、と言われる。
そうだね、と答える。
僕は鬱の自分を許さないからだ、とか思う。
そして自分を容易く赦すからだ、とも思う。
ふにゃ、と笑っている。


六甲道からバスに乗る。六甲ケーブルで山頂まで。
山頂は雪が降っていて(しかも積もっていて)酷く冷える。


上から見下ろす大阪湾は淋しく美しい。
ここから逃げ出す前に全部消えてしまえばいい、と小さく思っている。







↑そうしたいわけじゃないけどさ。

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