そうしてどんなにか、優しくしてくれた人のために生きていく。
そういう偽善が人生であってもおかしくない、なんて無様な自己弁護。
イヤなこと、キライなこと、それら全部ゆるせない融通の利かない自分のために自分のためだけに生きる、なんてとても、潔癖な生き方。
わらって、くれますか、
そうやって赦してくれなければきっと死んでしまう。
そんな甘えを口にできるくらいにはしたたかに、君の声を夢枕に聴くよ。
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すこぉし、遠すぎるね、と言いながらも ひとを抱く夢を見る。 目を閉じて、肩越しには何も見ない。 酔うだけ。 それだけでここは、秋の日のように穏やかに円い。
そうしてどこまでもあなたはとおい
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