まったりと、夜。 思い出を振り返るのは趣味じゃない、と、言ってみる。 けれど突き刺すように、夜と思い出が襲ってくる。 四方八方から串刺しにされながら、足取りだけは優雅に、オレンジ色のカクテルライトの中の横断歩道を渡る。 何が間違いか、なんてわからないよ。 ただひとを惜しむ。 言葉を交わすひととしてのひとを、惜しむ。
しばらく恋をしたくない。 行きたくないなぁ。 淋しいのがあなた一人ならどんなに楽だろう。 これはリハビリ、なのかな、どこか間違っていると思わずにいられない。 そうやって、淋しいときだけ大丈夫みたいに笑うんだね。 誰が嫌いって、僕に嘘をつかせるひとさ。
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