すきなひとが電話を鳴らす。うつむいて伏せた眼で世界を拒んで、鼓膜に想いを集める。ほんの短い電話だ。電話を切って、ふ、と笑うとゆるやかに波が引いていって思いがけなく明るい部屋の中で僕はぼうっとする。やばい、と思う。好きになりそうだ。だけどこんなのはいやなんだ。本当に。ほんとうに、いやなんだ。↑救い出すみたく、同時に否応なく突き落とすみたく。My追加