とおい、ところから。 あるいは、とてもちかくから。 僕は声を送る。 誰でもない誰かに。 しあわせな人なんか知らない。 満ちている人なんか知らない。 僕の知る、すべての、いとおしいものを、捨てて。 それからたくさんのものをあきらめて。 そういうナイーヴで報われない感じが好きだったりします、じめじめと馬鹿げているほどの不毛さ加減とか。
とりあえず、今は、そういう感じ。 ポジティブなのは昼間だけ、表向きだけで。 わらわない。 そういう人間を演じるのも悪くないでしょう? 限りなく、削ぎ落とすのは、けっこう簡単で。 嘘つきと言われても、僕が間違っているのかなんてもうわからないので、空耳のように聞こえる弾劾に、背を向ける。 だって僕は、 正真正銘の天邪鬼 だからね。
欲しいものは、たぶん、ひとつだけ。
だけどそんなの、絶対に誰にも教えやしない。
だけど神様、 たぶん ゆるされないのはきっと、僕なんです。
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