あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2006年04月12日(水) 花の下





夜、雨の後の濡れたアスファルトの匂いと桜の散る前の熟れたような匂い


  行くなら春の宵が良い
  雨の前に なまぬるく湿った闇が良い


願わくば、とうたった古き人のことを僕は笑えない。
一途なだけに真摯に、僕もそう思うから。



  手をつないで
  足音も忘れて
  あたたかく凍ったアスファルトを踏んでゆこう



もう桜が散ってしまう。
酷く惜しい気持ちがする。
不意に、昔見た
満開の桜の 暗闇の中にざわめくのを どうしても聴きたくなって(それはもう無性に)
どうしてもどうしても見に行きたい、と
渇するように思う。



  闇の中に みずやかな木蓮が立っているだろうから
  そこまで
  包帯だけ巻いた裸足で



行ってしまうのなら春の宵が良い。
誰を連れて行きたくもない。
けれど1人で行くのはどうにもさびしい









↑散り敷くもの。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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