2006年04月18日(火) |
半強制的モラトリアム |
春の温むような夜の外気。 気も狂いそうな衝動が不意に襲ってきて、不意に外へ、ぬめるような闇の中へ出て行きたくなって全身からそうっと力を抜いている。
夜半、何故かぽっかりと目を覚ますと、皓々と月が明るくひらいている。 半分ほど欠けた月が、しんしんと光を降らせて家々の屋根を照らす。 何かが不思議な気がしてずっと月の面を見ていると、いつのまにかことんと眠ってしまって明け方は既に遠くなってしまっている。
春は不用意に狂おしいので、僕は時折憎しみに満ちた目を、している。 行きたかった場所が急に甦ってきて、そこにいない自分を責めてみたりする。 もう、なんだか、欲しいものなんか何もなくってただ眠りたいだけで、その感覚はどうにも幸せすぎて苦しすぎて泣いてしまう。
わかっている。 春はもうすぐ終わりだ。 もう、すぐに。
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