2006年05月05日(金) |
フェイク、あるいは贋物 |
もうすぐ死ぬひとの話を聴く。 そのあいだじゅうずっと、おだやかで激しいピアノの曲が頭から消えない。
諦めを吐くようにひとは語る。 時間を未来を諦めるように。 諦めを受け容れるように僕は促す。 これは果たして自己満足のためだろうか欺瞞だろうかと考えながら。
自分の中のひどく冷たい何かを理解している。 心から、と、いつもどうしても言えない何か。 非情な言葉。 ここにあるもの、これは情か、心か、それとも理性か、単なる条件反射か。 言葉はとても論理的でかつ矛盾を愛し(詩人のように)、同時に、これは何か読んだものや見聞きした体験した誰かの猿真似ではないかと懼れる。 感情を疑うことからこの身の定義は崩れる。 そして容易く、 欺瞞に染まる。
執着はいつも、何か音楽のように ひとつながりの何か故あるもののように僕を導いた。 その繰り返し繰り返す主題。 懇願のように。 自己実現の欲求のように。
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