あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年01月12日(金) 居待月



居待月






夕暮れ

建物に切り取られた冬の梢を見上げてひとを待つ

もうすぐここにいとしいものがやってくる

風はきらきらと冷たく 深い藍に沈んでゆく空

南へゆく鳥の声が聞こえる

待ちわびる耳にはかすかな落ち葉の音もひとのあかし

たとえばそこに 愛はなくとも

ここへ運ぶ足音だけにも心があるならそれで

世界は

切り取られた空へとだけゆるく開かれて

いまここに仄かにあかるい

そこへ堕ちてくるように

あなたが堕ちてくるように

言の葉が あなたを縛り

あなたを閉じ込めてしまえるように





闇よ 来るな まだ

あなたが遠い













↑抱くそのすべてが愛ではなくても。

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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