あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年01月27日(土) 恋の支柱





もうだいぶ前に手放したひとに、連絡を取ろうか考えている。
ひとが捨ててしまったものを僕が拾ってもいいだろうかと。

返事はないような気がする。
なければそれで勝手にできるような性分でもないので、たぶんただ黙って引き下がるか何かするのだろう。

僕らしくもない、と思って憮然とする。





たぶん僕は連絡をしないだろう。

帰ってくるはずのない返事を待つなんてばかばかしいし。
それに何だか、ひとがいなくなって荒れていた頃の自分と、今の自分はそれほど変わっていない。
ほとんど成長していない自分を突きつけられるみたいで居心地が悪いし。




ただ考える。

返事があったら、僕は何を言えばいいだろう。
こうやって返事に焦がれた自分をありのままに言えるだろうか。
返事には何が書いてあるだろう。
会えるだろうか。
会いたいだろうか、ひとは。
そして僕は。




そんなふうに、世界は定点を軸に廻り続ける。

そんな状態の自分を感知するとただ無性に笑ってしまう。
これが愛情だったら良かったのに。
何かもっとマシな、感情とかだったら良かったのに。
なのにどんなに僕の奥底を探っても、触れるのは重く冷えた石ばかり。

たとえばここで、まだまだ未練があるのだとか無責任な分析ができる人間ならよかった。
愚かな人間ならよかった。

なのにこの目は冴え冴えとして僕を眠らせない。








↑あなたが、

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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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