あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年02月01日(木) 正しい樹





癒える恋なら恋ではないと思っている。
言い得る恋なら恋ではないと思っている。
得うる恋なら恋ではないと思っている。
知り得る恋なら恋ではないと思っている。




僕の世界は二つだけだ。
あのひとのいる世界と、
あのひとのいない世界。

そういう愚かで哀しい理屈を、僕はまだまじめな顔でこねてみたりする。

そうして必死に、僕のいる世界はあのひとのいない世界だと信じようとしている。
あのひとがいないと思えば世界は闇だ。
ただしあのひとがいると思えば世界は灼熱の地獄だ。ここにいたくないと想う自分を抑えられない。
あのひとは太陽で、僕をあまねく照らし出す。
あのひとは太陽で、どこにいても僕にその存在を見せつける。
僕は翅を無くし身を焼かれるのをわかっていながらも、あのひとを目掛けて飛ばなくてはならない。




僕は正しく樹になりたい。
大地に縫い止められながらもただ太陽を乞う樹になりたい。











↑慕う、頑丈で揺るがぬ樹になりたい。

My追加




これがただの願望だったらいい、
そしてそれが絶対に叶わないのだったらいい。





 < 過去  INDEX  未来 >


周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加