夢を見た。
流星群が来るのだと言う。 真夜中に、凍えるほどの寒さの中、寝袋にくるまって空を見上げてそれを待つのだと言う。
夜。
寝静まる町を抜け、校舎の屋上へ続く階段を上がる。 寝袋がいくつか折り重なる中にひとり、あのひとがいる。
来たよ、とだけ言う。
他に誰もいない。
流星ではなくてあのひとを見ている。 神々しいほどに美しい。
近づく頬。 髪の柔らかさ。 触れる唇。
満天の星々から寝袋に隠れるように唇を重ねた。
つめたい、熱い吐息。 あぁこのひとに会うためだけにここへ来たのだ、という直観。 痛み。 夜と星と、息もできぬほどの恋。
神様に見咎められてはもう生きていけないみたいに。
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