おそらく僕が10年くらい、と言うときには何か根拠があるのだ。 ごく矮小でいじましい理由が。
少しばかりヒマになったので時間を持て余してみる。 本当はやらなきゃいけないことはある。色々。 だけど少しだけ、といって自分を甘やかすことにかけては天才的だ。 この身体は概して怠惰なので、精神が少しばかりそれに似てはいなかったからといってどうなるものでもない。
ところどころに秋の端々を見つける。 何かに惹かれるようにぼんやりとする。 どうして心が褪せないのだろう。 とても簡単なことのように思えるのに。 欲しいものが手に入らない餓えが蠢くのを感じる。 わかりきっているのは、たとえここに他の何がなくてもただ飢え続けるだけだということ。
10年と言えばもう僕は涸れているだろうか。
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