あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2007年08月27日(月) ブリキの心臓






きらきらと美しい日。
美しい海と砂と空と緑と、太陽のひかり。


 この世のすべての うつくしいものを、


もうずいぶん長いあいだ声にすることも思い出すこともなかった名前を思う。
あぁ僕はどんなに彼女を愛したろう。
こんなにも遠くに居ると日常はとてもおぼろげだ。

少しずつ腐ってゆくイメージ。
思い出しも呼ぶこともない想いなら忘れたも同じだろう。
そうやって、僅かずつでも腐り崩れて、きっといつか思い出せもしない何かおぼろげなものになるんだろう。
それが例えばこれまで未来や命と引き換えにしてもよかった大切な思い出でも構わない。
それで砕け形も留めなくなるのがこれまでの僕を形造った心の組成物でも構わない。
そうすればあのひともきっと消えるだろう。
ここからあのひとが消えるだろう。
過去の重みをようやく捨てられるのだ。
もう幸せにも毒にすらもならない思い出が、いくら形ばかり残っていたところで何の意味があるだろう。
何の益になるだろう。
足元がふわふわと頼りなく危うい。
そうして、何もかも忘れるように心を造り替えて、



  いつか僕は恋がどんなものかを忘れるだろうか。










↑それはたぶん、君だ

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―――――when it comes to your heart
―――――それが心臓に達したとき
Plato "Phaedo"


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