あなたなしで確かに何処へでもゆける、
それでもまだあなたにやさしいことを言って欲しいと思う
ひとに会うのが恐ろしい、なんて誰にも言えない台詞をひっそりと呟いてみる。
いや言えないのはそんなコトバではなくてたった一言の、
浅ましい浅ましいことば
ひとに会う。
するとまだこの悪夢が続いているのだとわかってしまう。
何処までゆけばいいのだろう。
後悔しない、と笑うことばがすぐに軟らかく冷やされてしまう。
祈らない。
ただもうほんの少しだけでいいから楽になりたいと思う。
あなたがもう、
生きていなければいいのにって
それくらいの望みはまだ軽く唇からこぼれてしまう。
太陽と月しかないくらいに。
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