ここを出る夢を見ていました。「本当に逃げ出したんだ!」と、しばらくの間、勘違いしていました。

 人には“覚える能力”と“忘れる能力”があると思います。8年前、ふと思い浮かんだことなんですが、やっぱり今も同じ。

 光ちゃんはきっと、すぐに私を忘れると思います。まぁ、普通はそんなもんなんです。私の感覚がおかしいんです。

 あの人があんなになって20数年経つ今も、あの人が亡くなって10数年経つ今も、当時とほとんど変わらない、成長のない私。

 私は忘れるべきところを忘れることができず、覚えておくべきところを忘れてしまう、ポンコツです。

 思い切って逃げ出してあげた方が、光ちゃんためなのかもしれません。グダグダ言わずに実行するのが人情なのでしょうが、以前それを止められているので…。約束を破るわけにはいきません。

 私にとって、約束なんてそう意味を成すものでもありませんが、なぜか破ることはできないのです。

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 光ちゃんといるのがつまらないけど、光ちゃんはもっと私といるのがつまらないだろうなぁ。楽にしてあげたい。

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 ぶっちゃけ、手っ取り早く死んでしまいたい。でも、死体処理に手を焼く人もいるわけで、それを思ったら踏み切れない弱虫です。シュパーっと跡形もなく消えてしまえないものか…。

−−−−−−−−−− キリトリ −−−−−−−−−−−

 ああ、うかつに「死んでしまいたい」とか言っちゃダメだね。長生きするんだもんね。

 でも生きるって結構つらいね。つらいと言うかだるい。そんなことばかりじゃないけど、そんなことばかり気に触る時ってあるある。多分、今がそう。

 夢が楽しい時は、大抵現実が厳しい時。最近、実に夢が楽しいし…。夢に逃げ込んじゃおう。

 寝よ。
2006年02月06日(月)

寝言日記 / 杏