青の階

2004年08月23日(月) スピカ

テレビを点けっぱなしで寝てしまったようだ。
金メダルおめでとうございます、という声で目が覚め
はっと時計を見るとその針は午前三時少し前、
ちょうど魂の時刻に差し掛かるところだった。
昼間、
時折雨の降る憂鬱な天気に
痛みの引かない足を抱えたまま
わたしは連れ出されたのだった。
長い間、手に入れたいと切望していたものを買い、
滅多に食べることの出来ない豪華な料理を食べ、
山の中腹から木々の間を透かして夜の街を見た。
空気が揺らぐとその光がちらちらゆれ、
月光に照らされた波頭のようだと思った。

呼ぶ声が聞こえた。
わたしの中の一番深いところをたゆたう音の流れが
ざらざらと感情を擦って
静かに鼓動が高まっていった。


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