足は靭帯損傷のようでした。 靭帯を痛めるようなことには全く心当たりが無くて 医者もわたしも首をかしげながらの治療でした。
しゅわしゅわしゅわしゅわと蝉の声が降っていた。
病院の待合室には大きな水槽が置いてあって 遠くからその中を 青や赤や黄色のカラフルな色の塊が横切っていくのが見える。 綺麗だな、と思っていた。 けれど近付いてみるとそれはただの映像で しかも熱帯魚だと思っていたのは海月だった。 水槽の形をしたTV、海月を映したビデオ。 海月は嫌いだ。
眩暈を感じて外に出ると、 急に蝉の声が止んだ。 降るような蝉時雨など…なかった。 蝉の声だと思ったのはエアコンの空気が擦れる音だった。
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