2002年05月08日(水) |
相良敦子『幼児期には2度チャンスがある』講談社★★★★ |
 『幼児期には2度チャンスがある―復活する子どもたち』 相良 敦子 講談社 (1999/12)
マリア・モンテッソーリ教育について書かれた本(らしい)。
帯には『「子育てに失敗した」とあきらめないで!まだ間に合う注目の”実践幼児教育”どんなに荒れていた子どもも必ず「復活」させるモンテッソーリ教育の「決定版」と、コピーを考えた人の気合いのすごさを感じるのだけど、内容はそんなに過激でも、理想でも、宗教ぽくもなく、未熟なハハは、参考になった。
実は私、教育学を修めている(はず)。 なのに、エミールもフレネもモンテッソーリも、言葉しか知らない。 すごーく情けないと思った。今からでも勉強しよう。はい。
で、なるほどなるほど、と思ったのは、モンテッソーリが呼んだ「活動の周期」。 『自由に選ぶ→くり返す→集中する→充実感や達成感をもって終る』 このステップを踏みしめた時に子どもは内面から変わり、善さを現し、自立していくのだそうだ。 この実例がいくつか紹介されていて、それについては「そんないきなり、そんなうまいこと変わるものか?」と疑問が残ったけど、このステップについては納得がいった。 大人だって、私だって、同じだもの。 自由に選んだものは、失敗しても、非生産的でも、楽しい。
また、自分で選んだものを投げ出さず、最後までやりとげる「責任」も大切なのだとか。これも、「自由」を本当に理解するためには必要で、理解していれば当たり前のこと。
子どもは、なめたらあかん。 自分が子どもの頃、大人に対して感じてた疑問、反感はあなどれないな、と今でも思う。(それだけ、とてもかわいくない子どもだったということですが) 自分の子どもにはそれは感じさせたくないと、冷静な時には(?)思うので、昨日と今日で言ってることが違うとか、おにいちゃんでしょ、とか看護婦さんに注射してもらっちゃうよ、とか本質を取り違えた発言をしないようには気をつけてる。
そういえば、昨日健康センターで知人が帰り際にタッチパネルで遊んで靴をはかない息子に、「触ってるとおじさんに叱られるよ」と言ってた。 ちょうど出ようとしていた職員のおじさん、苦笑い。すごい気の毒。 「それはちがうでしょ。おかあさん早く帰りたいからそれをやめて早く靴履いて、じゃないの?」と言えない自分にも弱いな〜と思ったけど、こういう言い方って、自分が子どもの頃からめっちゃ嫌い。
「おじさんが叱らなければ何してもいいのか?」 「叱る人がいなければ何してもいいのか?」 「おじさんを悪者にして平気なのか?」 そういうことだものね。違う?違うかな?
まとまりがないけれど、間違いばかりの子育ての中で、「あ、これはできてるかも。いいことなのかも」と思えたことがあったのは、嬉しかった。 ま、めったにないけれど。
さらに、子どもの困ってたこだわりや遊び方に対して、寛容な気持ちで眺めてられるようになった(気がする)。 何度も何度もくり返してこっちが勘弁して〜と思うこと。 なんでそんなものを気に入るのよ〜と思うこと。 そういったことも、子どもの「仕事」なのだ。 子どもはどんどん変化(成長)していく。それをまるごと受け止めること、尊重すること、せっかくなのでこっちも楽しむこと。
そんなことを考えさせられた一冊でした。
『幼児期には2度チャンスがある―復活する子どもたち』
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