活字中毒のワタシの日記

2002年10月01日(火) 山崎豊子『沈まぬ太陽(三)御巣鷹篇』新潮社★★★☆☆

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇
山崎 豊子
新潮社 (2001/12)

この本って、ベストセラーだったんだ…。
ちょっとググって見て、知った私。
旬のものにはあまり関心がないとはいえ、アンテナが鈍っていたことにちとショック。読書好き、乱読派、とはいえないなぁ。おはずかしい。

もう、家事育児そっちのけ(ごめん)で読みふけっている三作め。

主人公恩地が組合委員長時代に尽力した(そして踏みにじられた)空の安全の崩壊。最悪の事故が発生。

520名の命を奪った墜落事故。
その多さが実感できないほどだ。
痛ましい事故現場、残された遺族の悲嘆、狂いそうな(くるってしまえた方が楽なのかも)やり場のない思い、沈痛な遺体の確認作業、社員の責任、恩地の苦しみ。
そういったものを著者山崎豊子さんは迫力のある、それでいて静謐な筆致で伝えている。
伝えている中には保身に汲々とする経営陣の姿も。
電卓をはじいて人の命をはかる遺族係。
被害者遺族の横の連帯を阻止しようとする経営陣。

ひととして「卑しくない」であろうというのは難しいのだろうか。

わたしもかなり卑しい性格であるけれど、恩地のようでありたい。
めざしたい。

あらためて、被害者のみなさんの冥福を祈ります。
そして、ご遺族、周辺の心いためて今も暮らしている方のこころがやすらかならんことを祈ります。
そして、二度とこんなことが起きないことを。

毎年、誕生日がくると御巣鷹のニュース。
墜落の音を長野にいて聞いた身として、身近に感じて忘れないように。

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇



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