2002年10月04日(金) |
赤川次郎『老兵に手を出すな』★★★☆☆ |
 『老兵に手を出すな―一億円もらったら〈2〉』 赤川 次郎 新潮社 (1999/03)
「一億円もらったら」の第二巻。
莫大な財産を持った実業家が、ドラマがあること、を条件に一億円をあげる、という話。 悲喜こもごものドラマが繰り広げられて、実のある一億円の使途になんだか納得させられる。
短編が5つおさめられているのだけど、私は『崩壊家族』がリアルでおもしろかった。 リアルということはお金への執着がリアルに描かれていて、その気持ち悪さが実感できたということで、おもしろい、というのとはちょっと違うのだけど、ラストがさわやかに決められてて、やっぱり赤川次郎だなーと思わされた。
タイトルの「老兵に手を出すな」も人物描写に深みが感じられていい。 「青春の決算」はウッソー、って感じだけど。 秘書の田ノ倉のさりげない活躍もいいね。
私の中では、このシリーズはおすすめです。 日帰りで電車で旅行に行く時のおともにいいです。
『老兵に手を出すな―一億円もらったら〈2〉』
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