2002年10月03日(木) |
山崎豊子『沈まぬ太陽(五)会長室篇(下)』★★★★☆ |
 『沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)』 山崎 豊子 新潮社 (2001/12)
国民航空会長室の奮闘。 そして限界。 改革の諸。
事実に則しているわけだから、水戸黄門や金さんみたいにまーるくおさまるとは思わなかったけれど、もう少し改革や摘発がなされてクリアになってるのを読みたかった。 まあ、それが現実の難しさなんでしょう。
国見氏の更迭には、私も義憤にかられた。 渡米して調査をする恩地をこれでもかとやれる限りの卑劣な手で邪魔をする、利権しがみつきさん。
恥を知れ!
と読みながら叫んでた。 でもって、私も国見氏、恩地のように「淡々と」なすべきことをしていけるようになりたい、と思った。
美学、かな。 ひととしてよく生きるのに大切なことだよね。
最後は、みーんな御用になっちまえ、と思っていただけにちょっと物足りない結末だったけど、行天の出頭、巨悪が暴かれるといいな。 現実はどうだったんだろう。社会面経済面にうとすぎだ、わたし。
この小説のモデルになった小原さん(だっけ)の本もあるそうで、次はそれを読んでみたいと思う。
『沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)』
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