| 2004年05月07日(金) |
ロブ@大月『リストカットシンドローム』★★☆☆☆ |
 『リストカットシンドローム』 ロブ@大月 ワニブックス (2000/10)
リストカットしてしまう人たちのインタビューをまとめたもの。 私は包丁を手にしたり、赤のシャープペンシルで手首を真っ赤にした程度までしかしたことがなく、リスカしている人の気持ちはたぶん理解できていません。
でももしかして、ものすごい数をこなしているけど毎回恐い「献血」。あの、針をさされる(腕にも跡が残っている)瞬間のなんともいえないこわいものみたさみたいな、自虐的だけど救われているような、不思議な感じと似てるかも。
いや、たぶん、ちがう。すみません。
全体的に、ぼやっとしてリスカしてしまう人たちの苦しみはいまいち伝わってきませんでした。
が、がーんと来た箇所が一か所。
母親に叱責されるたび、リスカをこっそり繰り返していたユミさん。 優しい夫に出会っても、隠し続けていたが、ある日バレる。
「それから、ゆみさんは夫の家族のことを、『これが本当の<家族>のあるべき姿なんだ」と思うようになった。 「夫の家族は笑顔が絶えなかったんです。それを見て、”ああ、こういうのが理想なんだ”と頭ではわかりました。だけど、小さい頃からの”うちの家族が一番”という考えが頭から離れず、とりあえず様子を眺めていました」(P116) 「自分がいなくなれば、夫も子どもも幸せになれると思ったことがありました」(P120)
あと、子どもの頃、親にされたことを子どもにもしてしまう(子どもが困難に陥ってても眺めてるだけ)、同じだと気づいて、『全身に虫がはいまわるような感じ』をしてしまう、と。
で、ユミさんは他の本を読み,自分はアダルトチルドレンと気づいて、悲しい連鎖を断ち切ろうとしている。
この本を読んで気づいたのは、「親への恨み」で苦しんでいるのではなくて、「許したい、でもできない」ことの苦しみに多くの人が捕われているということ。 傷付いた人はその分優しくなれるということだろうか。 100%そうだとは思わないけれど、自分がされて嫌だったことをを、あえて、コドモにしてやろうとは思わない。やってしまうことはあっても。
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レビューの中にあった「生きるためのリストカット」。 え?と思ったけれど、わかるような気がするよ。 周囲に刃物を振り回している(例え)ような、他者を傷つけてばかりの私より、ずっと彼女たち彼等の方が優しすぎるのかもしれない、と思う。
『リストカットシンドローム』
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