活字中毒のワタシの日記

2004年05月24日(月) 竹脇 無我 (著), 上島 国利監修『凄絶な生還、うつ病になってよかった』★★★☆☆

凄絶な生還、うつ病になってよかった
凄絶な生還、うつ病になってよかった
竹脇 無我 上島 国利
マキノ出版 (2003/07)

副題は『父子二代にわたる”死の衝動”に克った僕』。

あまりテレビをみない私は、竹脇 無我さんを「んー名前は聞いたことあるかも」くらいしか知りませんでした。

レビューは『父の自殺、次兄の夭折、長兄の失明、自身の離婚…。頭の中が「死にたい衝動」で埋め尽くされる-。うつ病地獄に落ちた著者が「また芝居がしたい」と再生するまでを綴った闘病手記。うつ病を正しく知る参考にもなる書。』

心に残ったところ。
「きっと世の中には、いまもそう思って苦しみながら仕事を続けているうつ病患者が、数えきれない程いるのだろう。(略)同じ苦痛を乗り越えてきた者として、その人たちにいいたい。『いまは、ゆっくり休んだ方がいいよ。それは無責任な態度ではなく、逆に病気をきちんと治そうとする責任ある態度なんだよ』と。」(P28)

「うつ病は、いろいろな面でその人のキャパシティーを超えたとき、起こる病気ではないかという気がする。」(P70)

「入院して、実際にそういう人たちと会ったとき、僕は心から治りたいと思った。
治りさえすれば、こんな僕でも、きっと誰かを元気づけることができる。仕事を通して夢を与えられる。自分が元気にならなければ何もできないと気づいたのだ。(略)そんなふうに考えられるようになったら、うつ病のトンネルの出口は、ぐんと近づくのではないだろうか」(p110-111)

「僕が思うに、うつ病から抜け出すのになくてならないものが四つある。一に休養、二に薬の助け、三に治したいという自分の気持ち、そしてもう一つは、周囲の人の支えだ。」(P120)

「うつ病のさなかにいるときは、そんなことはまったくわからない。真っ暗な闇の中にいるようで、ひたすら孤独だ。だが、回復して振り返ってみると、たくさんの人が自分を心配して、気にかけてくれていたことに気づく。」(P120)

「うつ病のとき、仕事等の責任を果たせていないことは、自分がいちばんよく知っている。わかっていて動けないからよけい落ち込むのだ。だから、そっと見守ってくれるのが何よりもありがたい。」(P123)

「誰もが散髪に行くように、気らくに心療内科や精神科に行けるようになればいい。そうしたら、早い時期に専門医にかかって、効果的な治療が受けられる。うつ病で、長い間つらい思いをする人や、最悪の事態である自殺という道を選ぶ人も大幅に減るだろう。」(P139)

「もう一つ、僕の経験では、周囲の人にうつ病であることを隠しておくのは、絶対によくない。(略)
うつ病のときは、ふだんどおりの仕事なんてとうていできない。そんなとき、病気のことを隠していると、『手を抜いていると思われるんじゃいか』『なんてダメなやつだと思われてしまう』というような考えにとりつかれて、よけいにひどく消耗してしまう』」(P139-140)


ほんとにその通りだと思う。
私、周囲にかなりうちあけまくりました。難しい言葉をやっとの思いでかけてくれた人や見守ってくれた人や手紙をくれた方や昨日も「こども110番」のおばさまに「あなたはひとりしかいないんだから」なんて言葉かけてもらって励ましてもらい(彼女はそれにしてもプロだな。浜松いのちの電話のおばちゃんとはずいぶんな違いだ←未だに怒っている)、感謝しなくては。

死にさえしなければ、うつ病は絶対に治る。
うつ病になることで、見えた世界がある。
国はうつ病患者の援助を。

だから、著者は「うつ病になってよかった」とまでいえるんだ。

私の身近にも(昨日コドモの延長保育を担当してくださってるおばさま)経験者がいて、弥勒菩薩像みたいな雰囲気をかもしだしてはる。
それで、優しい言葉をかけてくださる。

泣けてきちゃった。

そーだね。私は一人しかいないし、このまま薄くなって消えてしまえたらいいなーなんて思ったりもするけど、悲しむ人が、30人くらいはいるよね。
悲しませたくない人は、もうすこしいるかな。
治そう。
昼の薬まだだったから今から飲みます。

私もいつか、「えっあのにこやかな方がそんなご苦労を?信じられない」なんて言われるおばさまに…なれるわけないよなーと書きながら思った。
それでも。
与えられた生ある限り。生きているというそのことが、きっと大切なこと。

凄絶な生還、うつ病になってよかった

同様の本でおすすめなのは、数日前に読んだ、こちら↓の本。
精神科医がうつ病になった体験記。
死にたさと、それが症状であることを頭では理解しつつも苦しむ様子などが、うつ病患者には共感できるのではないでしょうか。
泉 基樹 (著)精神科医がうつ病になった―ある精神科医のうつ病体験記



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