| 2004年07月20日(火) |
桐野夏生『残虐記』★★★☆☆ |
 『残虐記』 桐野 夏生 新潮社 (2004/02/27)
帯より。 「誘拐。監禁。謎の一年間。そして、25年後の『真実』。」
一通の手紙をきっかけに、突然失踪した小説家。 夫に残された原稿。 そこには25年前の小学生監禁事件の被害者だった事実が記された手記だった。
小説と手記と、現実と空想と。 いたましさの中に、ほんの少しの救いと、哀しさと。 そんなものがつまった印象でした。
監禁事件といえば、アレが題材となったかと思われます。 どれくらいの深さの心の傷が残されたのか、修復不可能なこの小説から少し、想像することができるかもしれません。
私の思い出せる恐怖は、2度ほど痴漢にあった(泥棒とも対面したっけそういえば)ことですが、無力感は怒りを萎えさせるのに十分な程でした。 女性であれば私でなくてもよく、たまたま私で、対抗できない悔しさもどかしさ哀しさ。 これの一体何乗で表現できるのでしょうね。
痛みを感じた分だけ、ひとの痛みにも感じやすい自分になりたい。
『残虐記』
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