母のタイムスリップ日記
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2002年08月26日(月) 忘れる事。覚える事。


先日から、日記を読み返している。
母が、施設に慣れ始めていることを具体的に確認してみた。
 母の「おかちゃん」とつぶやくような言葉は、だいぶ減った。
「家に帰らなければならない。」と言う事もなくなった。
でも、家に帰りたいと言う気持ちは、確実にある。
 施設全体に流れていた「帰るモード」は、始めの頃と比べて、
沈静化したと思う。
 施設を「家」と思う人は居ない。
でも、職場、寮、と認識して居るように思う。
 勿論、施設と認識している人も居る。

 痴呆の進行に拠り沈静化したかなとも、考えたが、違うと感じた。
忘れる病気とは言っても、ここで、毎日生活して居る事を学習した
ように感じるのだ。

 一昨日、外出から戻った時、建物の前で、職員の方と会った。
その時、職員と認識して、「ただいま」と母から言った。
 これも、認識出来ている事だろうと思った。

 片方で、忘れていく事もあるが、覚えていく事もあるから不思議な
病だと思う。覚えるとは言っても、通常の生活ができる人から見れば、
「何それ?あたりまえでしょ。」といった所の物なのだが、介護する身
からすれば、嬉しい事なのだ。
 若年性アルツハイマーを罹ったご主人を持つMさんから、「まだ、
できる事沢山あるし、覚えても行くでしょ。」と言われる。
「家は、そういう所を通り越してしまったわ。でもいつか、きっと・・。
急に何かができるようになるかも・・・。と希望は捨てない。」とも。

 介護に押されて、疲れ果てても、ちょっと良いことがあると特別に
嬉しく感じる物だ。
 逆に、疲れていて、困った事が続くとその疲れは倍増しても来るのだが。


 


 


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