母のタイムスリップ日記
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2003年06月25日(水) できる事は 何時までも…。


先日のGHの旅行で母と陶器に絵付けをしてきた。
企画側が、わざわざ遠回りをして組み込んでくれたのだからと利用させて貰ったのだった。
残念ながらそれに参加したのは、母と私の二人だけ。
職員も参加しなかった。

その絵付けした陶器が今朝 届いた。
包みを開けて皿を見ているうちにそのときの情景が思い起こされた。

あの時は、時計と睨めっこしながら作業したのだった。
皿を前にした時 母は、何をするのかわからない状態だった。
「何か描いて」といってみても直ぐ反応はできない。
一応、頭は まだ正常だろう私だって直ぐには 何も浮かばなかったのだから無理はない。
前もって絵付けが判っていれば、図案なども準備できたのだけれど…。
なにせ、当日に知らされたのだから…。

それで お皿の真ん中に「名前」を書いてもらった。
染料を筆につけて母に渡して。
でも、次が出ない。
皿のふちに、線の模様を入れる事を薦めたが、母には言われていることが理解できずにいた。手をとって模様を入れて何とか続けられた。
自分のもあるので、絵付けを始めていたら、母は、重ね塗りを始めてしまったのだった。
もう、上手く仕上げるよりも体験そのものを楽しむ事に気持ちを切り替えた。見かねたお店の人が、ちょっと助け舟を出してくれてようやく仕上げられた。
最後に日付けを入れた。
始めから終わりまでの所要時間は十数分だった。
お店の人が「お母様 お幸せですね」と言った。
自分では感じないけれど 他の人から見れば そう映るのだ。

さあ、これを、何に使おうかな…。

病の母に何かをして貰う事は、だんだん大変な作業になりつつある。
きちんとした作品に仕上げるのは、もう 不可能に近くなってきている。
それでも、何もしないで過すのは 母にとってよくない。
ほって置けば、能力はだんだん消滅していくだけなのだから…。

残っている能力は、できる限り保存してあげるのが私の役目だろうな…。
できれば、亡くなるその時まで 持続できたらいいなあ。


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