母のタイムスリップ日記
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| 2003年09月05日(金) |
凄い おばあちゃま! |
今朝、同じ町に住む友人から「今日は、在宅?」と電話があった。 生協の受け取りもあるし、明日は母のリハや歯科通院があるので面会が短くなっても良いかなと思い「在宅]と返事をした。
友人は、お義母様と同居なさって居られる。難しい方なのでずっと苦労を重ねていらした。それも、ご主人は 長い間 単身赴任をしておられ帰宅なされる事も少なくて子育ては彼女にかかっていた。 おそらく口を利く事さえ嫌な時があったと思う。 遠く離れたふるさとには彼女のお母様がご存命で痴呆も始まっている。 そこに帰る事さえ、いちいち了解を得なければいけないのである。 神経的に参ってしまいMRI検査等も受けるほどの重症だった。 それでも、お義母様が手術となると突き放せずに看病に回ると言う心根の優しい方でもある。他にも実子さんが複数いらっしゃるのに…。
そんな彼女が来ると言うのである。 用を済ませた彼女は、汗でびっしょりだった。 我が家でブレンドしたハーブティーで一息。 それから暫く話し込んだ。 「お母さんの所へは?」と言われ「後で行く」と言うと「行こうよ。一緒に行くから」という事で母の所に二人で出かけた。 彼女も母と一対の私でも 全く気にせずあちこち 一緒に出かけてくれた人である。入所時もそうだったし、今年の脳出血の時だってそうだった。
今日の母をみた彼女は、ただただ びっくりしていた。 この夏に帰省し会って来た時の彼女のお母様よりずっと歩ける母だと言う。 3月の頃の母に会って以来だからなぁ…。 それにもまして、表情が明るいとも言っていた。
ただし、この明るさは、痴呆の進行によってこだわりが消えて行った結果なのだけれど…。そこまで、判ってもらえたかな?
母と3人で、いつもの散歩コースを歌ったり、話したりしながら歩き回った。 母は、おやつが済んで間もなかったけれど、お茶を上げるとがぶがぶと飲んだ。おそらく400cc近い量を一気に飲んだ。 喉が渇いていたのだろう。足のむくみも出ていた。 例のサポートも行く度に装着している。気持ちがいいといつも言っている。
夕方から夫に頼まれている用が有ったので、程なくGHを後にした。
友人と別れ、用を済ませて、帰路のバスに乗るため歩いていると…。
年の頃なら72.3才くらいのおばあちゃまが粉石けんを5キロ背負い、更に手にも2キロはある粉石けんを持っていた。 昔のかつぎやのおばちゃんスタイルでアクリルの紐で襷がけをしていた。 肩には食い込まないようにタオルがあった。 「ほーぉ」と眺めてしまった。「痴呆が始まっておられるかな?」とも感じた。だって、今時 こんなに粉石けんを買うなんて信じられない。
そのおばあちゃまが、なんと同じバスに乗り込んだ。 私は 多少の興味もあり その方の後ろの座席に座った。 おばあちゃまは、お隣の人に話しかけられていた。 聞き耳を立ててしまった。
電車に乗って遠くまで洗剤を買いに行かれたようである。車を出してと孫に言ったけど無視されたので 意地で一人で買いに行ってきたらしい。 痴呆ではないのだと判った。
驚いたのは、来年90歳になるというのだ。 「うそっ!」と思った。 骨格もしっかりとしており、頭髪だってほんの少し白髪があるけれどほぼ真っ黒である。それもぽやぽやとした毛ではないのである。 しわだって深くない。「70です」と言っても納得できる風なのである。
これには、周囲に座っている方もびっくりなさって視線を向けておられた。 ふと見ると背中の洗剤の箱の隅が隣の人の肩に食い込んでいた。 おばあちゃまは 全く気がつかないし荷物も重かろうと思われて、お節介をした。後ろから荷物をいすの手置きのところに移動して、軽く荷物を支えてあげた。すると、私の隣に座っていたご婦人も手を添えてくださった。
おばあちゃまは、私たちよりひとつ手前の停留所でバスを降りられた。 料金箱を通過する時、荷物が引っかかって動けなくなった。 すると近くの人が また 荷物を上に持ち上げてくれて無事通過。
それから、坂道をグングンと登っていかれた。 隣合わせた方々と大きくため息をつき「負けちゃいられないね…」と言い合った。
良く考えて見ると、おばあちゃまのご家族って大変だろうなと思う。 もう直ぐ90になられようとしているのに、これだけの意地を張られる方と生活しておられるのだから…。 でも、生きていくのに あれだけのパワーは持っていたいと思ったり…。
こんな風にして一日が終える筈だった。 が、夕食の支度を終えた頃、ご近所さんがいらした。 とても珍しい事である。 誰も帰って来ない時間だったので上がって戴き ちょっとのつもりでお茶を飲んだ。
ところが…話に花が咲きすぎてしまい、気が付くと10時半を回っていた。 介護の話、老後の話、世の中の流れ…等 話はエンドレス状態となった。 遅くなるので…と話を打ち切った。
ご近所さんが帰られた後、ようやく食事。 それにしても…介護の話になるとほんとに長くなってしまう。 過去の介護。今の介護。そして未来の介護。 「うーーーーーん」 今日 出会ったあのおばあちゃまに肖りたいものである。
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