短いのはお好き?
DiaryINDEX|past|will
私は今、いまだ白紙のままの原稿用紙を視界の隅に入れながらも、極上のタラバ蟹一杯と、ボイルした甘海老を皿のまわりにあしらった・・・地獄焼きされた伊勢海老を前にして究極の選択を行なおうとしている・・・という、図を思い浮かべている自分を思い浮かべながら舌なめずりしている自分を思い浮かべている自分を思い浮かべてニヤけている自分を思い浮かべている。
さて、軍配はどちらにあがるか! しかしながら、勝負ははなから決まっているのである。 なんとなれば、海老は大の好物であるにもかかわらず蟹の方とはいえば格別に好きというほどではないからである。 なんだ! それじゃ究極の選択なんかじゃないじゃん・・・なんて言うなかれ。
実のところ私は、タラバ蟹と伊勢海老との、ふたつにひとつの選択を行なおうとしていたのではないからである。 つまり、蟹はダミーなのであって本当は、伊勢海老とその周りにぐるりと丸く並べてあった甘海老との二者択一なのであったのだ。 ではなぜまたこんなに言葉を弄しているのかいえば・・・それは、このスペースを埋める為ではない断じてない! と言いつつ、その実そうなのであると正直に言えない自分は、あの有名な昔話・・・猿と蟹は握り飯と柿の種を交換するが、蟹の育てた柿の木に実がなると猿は渋柿を投げつけて蟹を殺してしまう、という・・・猿蟹合戦の猿にも似た卑劣漢などではないのか、なんて思ったりするのだった。 それは、今回は食えないお題であり、そのことはひとえに蟹は私にとって食わない食材である・・・なんてつまらないことを書いてお茶を濁そうと考えていたことからも窺えるのだ。 以下、すべて辞書からの引用で本当にお茶を濁すこととします。
+++++++++
蟹: 甲殻類の十脚目短尾亜目のすべてと異尾亜目の一部を含む節足動物の総称。体は偏平で堅い殻に覆われている。一対のはさみと四対または三対の歩脚をもつ。約四千五百種のうち、わが国には約千種がいる。ほとんどが海産で純淡水産サワガニのみ。食用。
かにかくに: 副詞 ともかくも。あれこれと。(古語)
蟹工船: 言わずとしれた小林多喜二の小説。1929(昭和四)年発表。厳しい労働条件に苦しむ蟹工船の労働者を描いたプロレタリア文学の金字塔。
蟹座: 1星座のひとつ。双子座と獅子座の間に位置し中央にプレセペ星団がある。 2十二宮のひとつ。巨蟹宮。
蟹玉: 中国料理のひとつ。蟹の身と野菜を入れた玉子焼き。くずあんをかける。芙蓉蟹(フーヨーハイ)。
かにばば: 胎便。かにくそ。
かにばりずむcanibalism: 人肉を食べること。また、その社会の中で宗教儀礼として容認された食人慣習。人肉嗜食。食人。
がにまた蟹股: 両脚が外側に曲がっていること。そういう脚の人。O脚。
では、最後にこの言葉で締めくくるとしまふ。
蟹は甲羅に似せて穴を掘る
すんまそ。今回もおとせませんでした。
合掌。
えぶどめろすもよろしくズラ
|