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2002年12月22日(日)  マネキン #3




だってさ


はなからやるつもりなんてぜんぜんなかったのに





いきがかりじょうやらざるを得ない情況になっちゃったんだから


仕方ないじゃん






寛大な気持ちでどうか許してほしいなんて思うのは


あまりにも身勝手な言い分だと






自分でもわかってはいるんだけれども




翻って考えてみるに


俺やっぱ






ハメられたんだよなぁ



「いまごろ気付いたの? あんたも相当鈍いのね。てか、ただのアホじゃん?」





てへへ


こりゃどうも手厳しいすね




でもさ




そうゆうことだから俺こそ被害者なんだよ


わかるだろ?







「ブァッカ。だからってあんなことやっていいわけねえだろ?」





そりゃま



そうだけど





そこんとこひとつ






大目に見てくんない?







「あたしにいってどうすんのよ! 潔く自首して法の裁きを受けるか、トンズラ




するかあんたに残された道はふたつにひとつなの。さあ、どうすんの!」



そ そうだよなぁ 







なんであんなことしたんだろう



気付いたらもう馬乗りになって首を絞めてたんだ


でさ 




我に帰って絞める手を緩めようとするんだけれども





手がさ





首に食い込んだまま離れないんだよ


指が石みたいに固まっちゃってさ







もしかしたら殺人犯で全国指名手配ってやつかな?








「ま、そんなとこかもね。フツーだったら、そんだけ首絞めたら死んじゃうよ」




ゲーッ!



いやだよ






いやだ!







人殺しかよ






冗談じゃねー!



この若いみそらで死刑かよ



誰か








誰か助けてくれー!




「ばーか、いつまでも小芝居やってろ!」



だってさぁ







仕方ないじゃん




寒いだろうからっていう親切心から穿かせてあげようとしたのにさ


もう穿いてんじゃん!






なんだよ



ひとを馬鹿にするのもいい加減にしろ



って思って





それでブチぎれちゃったんだよ



「で、彼女を押し倒して首絞めたってわけ?」









そんなとこかな







「へー。そんで、そんときあんた下半身モロだしだったんだってね」






え?



なんでそんなこと…








「あんた、まさかマネキンに欲情したんじゃないでしょうね?」






いや、紅い毛糸のパンツ見たらちょっと…













「おまえ、やっぱ死刑にしてもらえ! 世の中のためだ」














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