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2003年10月22日(水) 読書ニッキ ☆R リアリティ 藤原智美




この作家を女性とばかり思っていたのですが、今回やっと男性であると認識しました。


物語は、いきなり訳のわからん奴等が部屋に乗り込んでくるとことからはじまりますが、一種の不条理ものです。


どんな風に終わるのかが作家の才能のみせどころ? なわけですが、最初ちょっと合点がいかなかったのですが。


どうやら最後の一文に秘密が隠されているようなのです。



『男は人形のように見えた』という文章です。



つまり、Rと男は入れ替わってしまったのでつね。


男はRを死刑にするつもり、いや、死刑にしなければいけないと思っていた。(Rは男の分身である)
しかし、実際はRに男が付き添っていたのです。Rこそがリアリティであり、男が人形なのです。そのようにいつしか人形と人とが入れ替わってしまったのです。そんな風に考えてみると結構鋭い小説です。


どこからこのような発想が生まれたものなのでしょうか。


男はRを手に入れ、現実をRに刷り込んでやった。男は実際に死刑執行人として選ばれた存在であったのであるが、男によって現実を刷り込まれたRが現実となり、男は現実からいつしか遊離した存在となってしまう。


そこで、処刑されるべき存在であったRと男はすりかわってしまう。だから、本当のところはRが男を見つけ出したのです。そういうことになりますね。


現実と虚構が入れ替わってしまう、そういうお話なのでした。



なかなかのものでした。







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