短いのはお好き?
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2003年10月26日(日) |
読書ニッキ☆町田康 あぱぱ踊り |
自戒を込めてのアイロニー作品なのでしょうか。 なんていったら怒りを買ってしまうでしょうね…いや、冗談です。
なんの狙いもなく、メタファーもなくなんらかのカリカチュアですらもない、ただのシチュエーションで進行してゆく作品(作風)ですが、やはり凡人は真似してはいけないでしょう。
凄い人はフツーに凄いのです。気を衒ったり、仕掛けをしたり、伏線をはるなどといった姑息な真似はしないのです。あるがまま。そこには、文学畑出身ではないという町田のその出自も大きな要因になっているとおもわれます。
実は物凄い読書家であることなどおくびにも出さないところが、またかわいいです。
彼が出て、フォロワーが雨後の筍のごとくはびこるかと思っていましたが、そんなこともないようですが、いわゆる文学的でないところが彼の素晴らしいところだと思います。軽妙洒脱といいますか、アヴァンポップというのか、殊にその「軽さ」は、目を瞠る素晴らしさだと思います。
才能のない作家さんは、仕方ないのでしゃかりきになってお勉強をして苦労してアタマで書くので、ツマラナイのです。
彼は恵まれた才能で書いているわけですが、この書き方は、実は天才にしか許されない書き方です。その昔、深沢七郎という天才が存在していましたが、彼が真の天才かどうかの判断は、これからの作品に委ねられるべきでしょう。
彼の文壇での位置などにはまったく興味はありませんが、新しい文学を切り拓いてゆく……純文学=つまらない、を払拭することの出来る……数少ない才能ある作家として頑張っていただきたいものです。
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