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2003年11月01日(土) |
☆読書ニッキ☆ 幽霊たち ポール・オースター |
BlueとBlackは、同じひとりの人間の陰と陽である。
むろん、WhiteとBlackは文字通りの裏・表を顕しており、ひとつのものだが、 つまり、BlueとBlackは同一のものの陰陽であり、そして更にそのBlackは、Whiteと表裏となっている という二重、三重の構造となっている。
よって、この物語は探偵小説、あるいは推理小説といった趣きを呈しているが、これはたんに Blueの意識の改革の物語なのである。
Blueは、古い自分であるもうひとりのBlue、つまりBlackを殺すことによって、新しく生まれ変わり 新しい人生へと旅立ってゆく。
作中、Blueが、レストランみたいな? 場所でBlackと差し向かいとなって、会話するくだりは、ドッペルゲンガー、あるいはタイムパラドックスにおけるもうひとりの自分との接触を思わせ、わくわくした。
これだけでは、まったくわからないでしょうが、私としては、この装置というか仕掛けが面白く、ポール・オースターは結構肌にあったのでした。
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