2002年12月05日(木)
図書館の前を毎日通る。 電光掲示の温度計はそこにあって、 −4だの−9だのいう数字を見てはひえぇと口に出してみるのだが、 それは見慣れぬ数字に対する素朴な驚きと、 その程度の寒さを苦にしなくなっている自分の寒冷地仕様化への思いの吐露だ。
大丈夫。人はもっと寒いところでも生きていける。 その証拠に、まだまだこんなものじゃない、 1月、2月は最悪だぁと語る土地の人は皆一様に楽しそうではないか。 わくわくする。零下30度を記録するような土地なのだ。 憧れは、雪と寒さに閉じ込められる籠城生活だ。
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で、図書館。 毎日通るその図書館へは2週間に1度行く。 そして2冊ないし3冊借りる。 今借りているのは野沢尚の「魔笛」と 角田光代の「あしたはうんと遠くへいこう」。
テレビドラマになることが前提かのような野沢作品はおいといて、 角田光代。初めて読んだ。 その名を目にすることが最近多く、 どんなものを書く人なのかと思ったのだ。
高校時代、主人公はなにげなく風呂場でつぶやいてみる。 「たすけて」と。 すると言葉に呼応するように涙が出てきて彼女は驚く。 しかし、涙があふれるにまかせ、そのまま膝を抱えてさんざん泣く。
そんなエピソードひとつで、 ぼくは続けてこの人の作品を読んでしまうのだろうなと思った。 角田光代がどうだという話ではなく、 そんな単純で他愛のないのがぼくだという話。
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というわけで、憧れの籠城生活。 お気に入りの本とCDに囲まれ、合間にHPの更新をして過ごす。 これでお腹が空かなければいうことはない。 どうしてお腹が減るのかな。
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