恋文
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ほんの わずかに すれ違う
合間に あなたの声を 聞いている
いちめんの みどりと いろどりの 花たち
立ち止まって 風をうける
わたしは わたしの 髪の 匂いが 好きだったり
わたしは わたしの ことしか 考えてないから
それだけ
昼過ぎに 雨が降った それは 猛々しい 風の音と いっしょだった
濡れた舗道を あるく 夕方 雨のあとを たどる
考えているとき わたしは いつも 髪をいじっている
困ったときも きっと
わたしが わたしでいないと いけないとき
じゃ 髪を失ったら どうなるのかしら
いつも いるのに わたし
ときどき わたし
ねむるとき おもう
とおい まち
目覚めたら 夢は もう一回 繰り返せるだろうか
もう どんな続きも ないのだった
しばらく つかっていなかった フレグランスを まとってみる
そのころから まだ どこにも いっていない
どこにも
とおい さきのことは しらない
ただよっている うちに
どこに たどりつく
とけるみたいに きえてゆく
ゆめを おいかけて めをとじる
知ってる 知らない
わたし
鏡に うつして うしろ姿
髪を くくる
あなたと 話しをする
どこか しらない 時間に
座りこんで いよう
わたし あめの あさ
つめたいの すきだった
まどから うで だして
あめが ぱらぱら はだに あたるの
ぱらぱら いつまでも
あたってるの
雨が はこんでくる それも 春のかおり
あのとき 咲いていた さくらの
いま ここにも
花の いろどりと
時には 雨の 冷たさや
まぶしい 光の なかに そのまま
春は 春なのに
いくども 思い返す それは
今年も また 柔らかな みどりに 芽吹く
まだ いく度も ここで 見るだろう
同じ季節を ともに 感じている
枝のさきには やわらかな みどり
れんぎょう こぶし ろうばい もくれん
遅かった 雪が とおくの丘に 見える
花は 知らない
いま ひらく
木々の 枝には やわらかな みどり
しめって やわらかな こみちを
ふわふわ あるく
少し 目をはなしたら もう 食べちゃったんじゃない
なんだ わたしのぶん 残しておいてよ
いいながら たくさん 食べてくれて
それで よかった
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