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町をゆく どこでも 歩いてゆく
向こうに 山がみえる
憧れのように
いずれにしても 日々を 全うしなければならず
それならば 振り返らずとも よいのだが
ここではない と 探す行く先は
どこに あるのかも知らない
どこも 見慣れない 風景
街角に 溶け込んで ゆきます
風のなかに 吹かれて います
空を 見上げて 立ち止まり
沈黙しています
少し ゆく 少し さき
風が 激しく 吹いてくる
もっと その先へ
一歩一歩 歩き始める
不安と 喜びと
子供のように
遠くに 山が見えた
ビルのあいだ
近くに 行きたいと 思った
夜のあいだの 雨
夢のなかで
どこにいても
雨の音
雨は 風といっしょに 吹きつける
ぼんやり 滲む町の光も 風のなか
ひとりの いちにち いちにち
おとは ずっと しずか
切れぎれの空
この町には 広い空が ない
遠くを 見やる
あわただしい 一日は それでいい
終わって ほっとする
これで 終わったんだ
でも 明日は またくるね
躓いているのかも わからない
どこまでも 手探り
上へ 下へ
一歩は しずかに 踏み出す
誰かの 影と いっしょに
道は 繋がってゆく
どこに いても
居所を探して 歩いても まだ ない
知らない町のなか
易しいことは あまりない
優しいことに 触れると
ほっとする
ビルの間を 越えて
山が 見えた
少し 慣れる
どこか 外れたままになる
帰れない
雲は 雪の山のように そびえ
天からの 光のなかに たたずむ
残してきた 風景が
現れる
見知った国を 右往左往する
本当に この国だったのか
なにもかもが 一点に 向かってゆく
その場所を 見据えながら
ほら でも まだ 右往左往ではないか
雨が降るね
雪を融かしてゆく
夢ではないと 雨の 冷たさ
急な流れが 巻き込んでしまうのだろうか
思わぬ出来事に 戸惑う
陽が傾き 道は ひかりの中に 沈んでゆく
長い影を 引き 凍えた道が 続いてゆく
その 向こうまで 歩いてゆく
夕日が 傾いてゆく 長い 光の帯
道の向こうは まぶしくて
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