TWILIGHT DIARY
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ライラックが、満開である。
玄関を開けると、ふうっと香りがする。 お隣の十何本か植えてあるのが、6月を待たずに満開である。 遅咲きの白いのも咲いている。 午前中に降っていた雨のお陰で、色も鮮やかに咲いている。
ふと見ると、つつじもだいぶ前からなのだろう。 満開である。 樺色と、濃い薔薇色のつつじ。 全く気が付いていなかった。 家のつつじは背が低いので、目線を下にしないと視界に入らない。 今日は雨あがりに色が鮮やかで、ひときわ目を引いた。 気がそちらに行き、見渡すと花だらけである。 お隣の絨毯のような芝桜もなかなか良い。 どの花々も見どころである。
だが私は、一番の器量良しを見つけてしまった。 早咲きの牡丹である。 お向かいの庭の、丹精された白桃色の牡丹は、 匂いたつように咲き誇っていて、美しい。
中国の古い話で、牡丹の精の話があるが、わからぬでもない。 あの薄くたおやかな花びらの奥に、何かが棲んでいそうな感じがする。 あんなに美しい牡丹が、広い中国庭園に一度に咲き乱れていては、 漢詩人でなくとも、白昼夢を見てしまうに違いない。
鮮やかな花の色は、人の心を惑わせるのか。 匂い立つ花々の庭は、異界との入り口だろうか。
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