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2002年06月15日(土) 謎。。

昨日購入した、今市子の新刊「岸辺の唄」を読んだ。
今市子は「百鬼夜行抄」が代表作で、
ミステリーコミックでは、なかなか人気のある人である。

今回の「岸辺の唄」は、鬼人を扱った中国ファンタジーで、
最小限の人物説明で物語は始まる。
その結果、読者は非常にミステリアスな設定を起点に読み始める事になる。

謎が解き明かされて行くのは、楽しい。

中途でほどけて絡まってしまった組み紐を、ほどき直しては、また組み直す。
そうこうする内に、組み直されてやっと元通りになった組み紐は、
初めてそこで、真実の顔を表すのである。

そうか。そういう事であったか。
その瞬間が、いいんである。

物語の謎が解き明かされた瞬間は、美しい。

何故なら、ファンタジーの世界では、たとえ謎が解き明かされたとしても、
幻想の真実は、やはり幻想のままで、幻想の美なのである。


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izumi [HOMEPAGE]

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