TWILIGHT DIARY
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昨日購入した、今市子の新刊「岸辺の唄」を読んだ。 今市子は「百鬼夜行抄」が代表作で、 ミステリーコミックでは、なかなか人気のある人である。
今回の「岸辺の唄」は、鬼人を扱った中国ファンタジーで、 最小限の人物説明で物語は始まる。 その結果、読者は非常にミステリアスな設定を起点に読み始める事になる。
謎が解き明かされて行くのは、楽しい。
中途でほどけて絡まってしまった組み紐を、ほどき直しては、また組み直す。 そうこうする内に、組み直されてやっと元通りになった組み紐は、 初めてそこで、真実の顔を表すのである。
そうか。そういう事であったか。 その瞬間が、いいんである。
物語の謎が解き明かされた瞬間は、美しい。
何故なら、ファンタジーの世界では、たとえ謎が解き明かされたとしても、 幻想の真実は、やはり幻想のままで、幻想の美なのである。
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