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2002年10月20日(日) アメージング・グレイス。。

今日は、こじらせた風邪を少しでも治す為に、
丸一日出掛けず、養生の日である。

夜、BSで「アメージング・グレイス」のルーツを探る旅番組をやっていた。

アメージング・グレイスは意外に、結婚式とお葬式の両方で唄われたり、
公式のイベントなどでも唄われる、非常に自由自在な名曲である。
ただのトラディショナルだと思っていたが、多少違っていた。

最初、アフリカからアメリカ向けの黒人奴隷船の船長だった人が、
航海中、台風に見舞われて、一生を省みて奴隷船に乗ることを一切辞め、
牧師になり、その時に作った曲だそうである。

ニューオリンズjazzフェスティバルでは、様々なゴスペルグループが、
「アメージング・グレイス」の色んなカバーを披露するイベントもあるそうで、
下は小学生から、上は活動50年以上(!)のコーラスグループもいて、愉しい。

しかもそのおじいちゃん達は、揃いのベージュのスーツで、ダンディなのである。
リードヴォーカルの、多分70代の彼は「アメージング・グレイス」をソウルフルにフェイクする。
演奏もゴキゲンで、めちゃ格好良しなのである。

チェロキーと言われるネイティブアメリカンの人達も、何か事ある毎に集まって
「アメージング・グレイス」を合唱するそうである。

興味深かったのは、刑務所内や刑務所病院での演奏の様子も取材されており、
終身刑の服役中の人が、この曲をエレピで弾き語り演奏する場面もあった。
刑務所病院の重症患者の人達は、それを聴いて泣いている。

日本人である私は、この曲は普通のアメリカのトラディショナルで、
至って、ただ単にポピュラーなだけのゴスペルの中の一曲だと思っていた。

だが、たくさんの人々に愛されているこの曲は、
実は、苦境のマイノリティの人達にも愛されている、
懐の深い、普遍的な意味深い曲だという事が、この番組でよく認識出来た。

大収穫である。


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izumi [HOMEPAGE]

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